ポランのスケボーが始まった。スケートボードといえばひと昔前は若者の危険な遊びとしてあまり歓迎されていなかったが、オリンピックで日本人が活躍するようになって市民権を得た。危険があることは確かなので禁止事項も多い。それでも初歩コースに一年生たちは果敢に挑戦する。その姿はとても頼もしい。上達した子には上級コースもある。スピードに慣れるまで何度も失敗をくりかえし、やがて完走できるようになる。その喜びや達成感は、やがて自己効力感としてかれらの成長を支えてゆくことだろう。
スマホは今や誰の手元にもある。子どもへの普及率は3年ほど前の調査によると、小学高学年で65%、中学生になると80%を越えていた。生活に欠かせないというわけではないが、今や必要性や経済性をとやかくいう時代ではないようだ。
さて、以前、ある盲目の女性が野鳥について書いたエッセイが出版され、同じ趣味を持つ人間として驚かされたことがある。つい最近、同じ女性の本にまたまた驚かされた。今回はスマホによって盲目のその人の人生が一変したという内容である。
数年前にガラケーから優れた音声読み上げ機能を備えたアイフォンに変え、それでもなお普通の人の数倍の苦労をしながらスマホの使い方に習熟した。その結果、今では《心に灯がともり、生活に自信と確信が持てるようになり、周囲の人たちと対等な関係になれたようで、人間としての尊厳が護られるようになった気がする》とまで書いていた。冷蔵庫のカボチャが腐り始めたことも分からず、玄関先に置かれた宅配物につまづいてしまう目の不自由な方の一人暮らしは、ボクなんぞには想像もできないが、そういう人の自尊心にまで影響を与えるツルンとした薄っぺらなスマホの威力には驚嘆するしかなかった。
さて、それもスマホのすばらしさなのだが、スマホは使い方次第で人間の脳を破壊するという研究結果も出ている。道具として使いこなせば超便利なものだが、スマホを片手にボーと3時間も過ごしてしまうとか、常に触っているようになっているのは、依存症が心配される状態らしい。賢く使いこなすしかないようだ。