ままごと料理

春休みのある日、何人かの女の子たちが作ったおしゃれなままごと料理。トウが立ったダイコンや菜の花、草花などを使ってある。器もしゃれている。材料があり、道具があり、たっぷりと遊ぶ時間があれば、こんなに楽しいものができる。子供たちのどこにこんなセンスが隠れているのだろうか。将来は料理人かな?

『子供時間』という時間

『子供時間』という特別な時間があると、いつの頃からかそう思うようになった。昔はわざわざそう呼ばなくても日常の時間のほとんどが子供時間だったように思うが、子供たちの暮らし方が大人と区別がなくなった頃からそういう呼び方に意味があるようになった。なにしろ、《鬼滅の刃》も《回転ずし》も《プレイステーションやスイッチ》も《NiziU》も《ディズニーランド》も《ユーチューブ》も、子供から大人まで区別なく楽しむ時代になった。スポーツも、野球やサッカーはユニホームを着て土・日にコーチや審判の下でするものになり、ダンスは子供もヒップホップであり、身につけるのは親も子もUNI・QLOでありmоnt・bellである。昔はテレビも、子供は夕方の子供向けの番組を、大人たちは9時10時のドラマや映画、ニュースをと、内容も時間帯も分かれていた。野球といえば空き地で普段着のままで子供のルールでやるものだったし、マグロは赤身よりトロが好きだなどと口にするような子はもちろんいなかった。

《子供時間》というのは幼い子が大人の介在なしに《素朴に無心に遊ぶ時間》というようなニュアンスである。ポランの場合は、そこに《自然の中》とか《昔ながらの集団遊び》というニュアンスが加わるかもしれない。ポランには昔のままの遊び方が残っている。残そうとしたわけではないのだがいつの間にかそうなっていた。そしてそうなってみると評価してくれる声も増え、続けていることに価値も加わったようである。でもそれは偶然の産物で、何よりいつの時代の子供たちもポランを楽しんでくれたことが、変わらないで続いてきた最大の理由だろう。

頼もしい次世代のために

ポランでは、大人の出番をなるべく少なくし、禁止事項もできるだけ少なくしたいと思っている。それは子供たちだけで遊ぶ『子供時間』に価値があると考えるからである。子供が一番多くのことを学ぶのは、無心に好きなこと、気の向くことをしている時だと思う。そういう自発的な時間の中では、我慢や忍耐をする必要がない。知恵を出し工夫をするにも際限がない。成功も失敗もただ自分の中で噛みしめるだけ。そもそも誰かに認められたり文句を言われたりすることは想定していない。そんな時間での体験が人間の核心部分を育ててくれるのではないかと思う。

ボクの観察するところ、大人というのは、自分も含めてだが、子供のやることに口を出さないではいられない生き物のようである。叱ることも褒めることもアドバイスすることも、それが大人の義務だと思っているかのようである。良かれと思ってするのだが、現代社会全体が子供たちに《教えすぎ、与えすぎ、関わりすぎ》ているようだ。学び方には《見よう見まね、技を盗む、試行錯誤》というやり方もある。今、子供たちは学校で教えられ、塾で教えられ、スポーツクラブで指導され、体験教室でまで教えられる。それら大人の管理の下で行われることには大きく二つの問題点がある。一つは《評価や成果》が必ずついてまわること。幼いうちから評価されてきたせいだろうか、初めてのことに手を出さない慎重タイプの子が増えている。失敗したくない、笑われたくないという思いが、「やってみたあ〜い」という素朴な欲求を抑え込んでしまう。「知らないから面白そう」と考えるのかそれとも「知らないことはイヤダ」と思うのか、人生を楽しくするためには案外大きな分かれ道だと思う。二つ目は《トラブル解決能力・考える力》が育たないこと。ちょっとした怪我をしても、大人がそこにいれば必ず「どうしたの?」と声をかける。手当もする。喧嘩が起これば仲裁に入ってその場を収める。ささいなことでも目の前で起こることに反応しない教師やコーチはまずいないだろう。大人の使命感がなせる行為なのだが、結果的にはトラブルを子供自身が解決する機会や考える機会を奪っていることになってしまう。二つの問題は習い事や教育活動の裏側で付随的に進行しているので見えないが、気づいてみると小さいことのようで実は案外重大なことではないだろうか。

さて、子供時代を充実して過ごした子は小6あたりで遊びからきっぱりと卒業できる。子供時代を堪能していないと次の成長段階へと踏み出せない。頼もしい次世代が育ってくれないと困る。社会が困る。みんなが困る。温暖化に苦しむ地球も泣きながら待っているかもしれない。

スケボー
始まったスケボー。まずは初心者コースから。ケガをするなよ。
一輪車の練習
一輪車の練習。相当な忍耐力が必要。挑戦してみるだけでも価値あり。得られる達成感もかなり大きい。
夜更かし
タイトル『夜更かし』。ある新聞に掲載された写真。この年齢から始まるデジタル生活。いろいろな思いが湧く。