かげぼうし

ハザードマップのイエロー

前の晩から続いていたザンザン降りが小康状態になった八月十八日早朝、ポランの横の水路の様子を見に行った。予想通り、膨れ上がった濁流が一本橋を流し去らんばかりの勢いで波立って走り下っていた。即座に今日の保育は校区市民館分館で行うことに決めた。そこはポランの緊急避難場所に指定させてもらっている。その後は、天気予想図をチェックしつつポランに戻るタイミングを計りながら30人ほどの子供たちと過ごした。

豪雨災害、土砂災害が多発する時代になってしまった。《数十年に一度》とか《これまでに体験したことがない》と言われる大雨が降るようになり、川の近くでは洪水が、山の近くでは土砂崩れが頻発するようになってしまった。《天変地異》という言葉が頭をよぎるが、天を変えてしまったのはお前たち人類ではないのかと言う声がどこからか聞こえるような気がする。この異常気象を地球からの警告だと受け止めたい。

さて、ポランの建物がある場所は残念ながらハザードマップの土砂災害警戒区域(イエロー)に指定されている。この環境ならではの様々な楽しみを享受させてもらっていることの代償として受け入れるしかない。そういう場所で暮らす人間にとって大事なことは命を守るために間違いのない判断をすることだと思う。そのためにポランが備えていること、考えていることを書いておこうと思う。利用者の自発的な避難行動の参考になればと願って

ポランの対応について

ポランの一帯は50年ほど前に土砂が流出し、北側の田畑に被害が出たことがある。その後砂防ダムができた。そんなこともあって大亀というこの場所が警戒区域に指定されたものと思われる。ポランの避難計画を作るとき、具体的な危険度を知りたいと思い東三河建設事務所などで担当者に詳細に質問したことがある。その時の内容と実際的な子供たちの行動を考え合わせたのが次のような予測である。

  1. 予想される流出土砂の量は最大で2792立方メートル。大きなダンボール2700個分。それが三角地帯に次第に低くなりながら堆積するとして、ポランに到達した時の深さを算出すると約60センチ。ただし、三角地帯は西側に傾斜しており、実際にはポランのあたりは30センチ程度だろうと予想できる。この数字だと建物ごとポランが土砂に流されることはないと思われる。(石巻山を含むこのあたりの弓張山系は地質的には水が染み込みにくいため一気に崩れることは少ないという専門家の見方もある。)
  2. 仮にそのような豪雨が平日の朝(前日の夜から)降っていれば小学校は休校の可能性が高い。登校した後なら緊急下校となり、親子下校などになると思われる。つまり、かなり危険な状況の中を子供たちがポランに来ることは少ないと考えられる。
  3. それでもなお以外のケースとして、例えば夏休みの日中に突如、短時間に起こるという仮定を敢えてしてみるが、これはもう現場に居合わせた人間の危険察知能力に依るとしか言いようがない。一時間に200ミリ、300ミリという普通ではあり得ない雨が降らないとは言い切れない時代ではある。時間10ミリなら、30ミリなら80ミリなら、ポラン周辺の状況の変化がそれぞれどうなるかを普段から観察しておき、危険を見極めるための訓練を積むしかないということになる。気象データは科学的な数値ではあるが、個別の場所に潜む危険までは教えてくれない。最後は現場の人間の《用心深さ》と《想定力=想像力》と《根拠のある勘を磨く》ことに尽きると思う。そして、危険察知能力は教育や保育関係者、行政だけに託される課題ではなく、保護者にもそして子供たちにも求められることだと思う。どんな危険に対するときも同じだが、命を守る能力は他人に委ねるものではないのだから。

    1. ライフジャケットを着る。そして浮きながら救助を待つ練習。

      どんなに雨でも野外で飯を炊く。濡れた地面と濡れた薪、そして煙と格闘の末、何とか炊き上がった。

      素朴な織物体験。小袋を作る。

      ベーゴマ決勝戦。予選を勝ち上がった8人でトーナメントを闘う。みんなが見守る中でいよいよ頂上決戦。優勝はあおねさん(5年。写真右)。ゆうしん君(6年、写真左)は人気と実力では勝りながらもちょっと気負い過ぎたか。